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第三章 後半 :ちょっと得するプロトコルの意識


特別連載企画
~ クレーム対応のベテラン、椿氏が語る ~ 

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知識を会話に生かそう
前半では、催しや慣習に関して行われる国際儀礼 “プロトコル”とはいかなるものか、
そして、実際はどのようなことに気を付けながら行われる慣行であるかをニューオータニでの事例をもとにご紹介した。
こういった事例を知識として頭にいれておくと、宴会場の配置、着席順など説明するときに役立つだろう。
たとえば、お客様をお招きしての会食のとき、
「プロトコル上でも、また日本の慣例でも入り口側がホストになりますね」と説明すると説得力もあるだろう。
以前、こんなことがあった。
私は宴会関係の職務ではなかったが、たまたま宿泊しているお客様を宴会場に案内していた。
利用目的は会食。庭園に面した会場を勧めていた。
この会場は待合スペースもあり、会食スペースは1枚板で10名着席・窓側5名、廊下側5名となっている。
春、桜の咲く時期だけでなく、四季折々の表情をのぞかせる会場である。
たまたま宴会場の社員がいたので、説明をしてもらう。
「席の割り振りはどうなるの?」
「お客様はそれぞれ何名様ずつになりますか?」
「お招きするお客様4名、ホスト側4名です。」
「この会場はごらんいただいている通り、お庭に面した会場です。
ホテルニューオータニでは、この会場につきましては、お食事とともにお庭も見て楽しんでいただけるよう
お客様側がこちら入り口側にご着席いただいております。」
「いつでも?」
「はい、いつでもそのようにご用意しています。」
・・・こうまで断言されると、言葉も挟みにくいけど・・・違うでしょ。

 「それはホテルの論理だよ。それを絶対的なものとして押し付けるもんじゃないんじゃないかな?
会食といっても商談が中心で食事はとってつけたようなものだったら、オーソドックスな席の配置になると思うよ。」
確かにこの社員の意図も間違いではないかもしれない。
でもお客様が利用する用途は多岐にわたるし、その利用内容、目的によって仕様がっては異なってくる。
おそらく、この社員は先輩社員に会食で利用されるとき、どのような形式が多いかを説明受け、
それを絶対的なものとして認識していたのだろう。
でも、プロトコル上はどう、日本の慣例にそったらどう、もしカーテンを閉めて調印式などで利用されたらどうだろう?
もし、ホスト側は入口の方に着席しなければならないと教育を受けていれば
その教えを旨とし、業務に就くのだろうな。
思うのだが、“どうしてこうなるか”という理由づけを理解しないで、
結論ばかりを追う人間がどうも多くなったような気がする。
だから、決定事項が絶対的なものとして捉え、疑いをもたない。
これもいいけど、あちらもいいな、そんな考えってあってもいいだろう。
少なくとも席の配置というのは、利用する目的によっていろいろなことが考えられる。
大事なことはいろいろな情報を伝え、お客様が納得して自分たちの結論を引き出せるようにすることだ。
そんななかで説明するとき、実例を挙げたり、慣例を説明したりすると、お客様は耳を傾けるものである。

プロトコルっていい武器になるよ。

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