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☆★**~*パンダの独り言*~**★☆(4)

2020年7月6日 月曜日

皆さん、7月になって早2週間目ですね。

梅雨明けが待ち遠しいブログとメルマガ担当、香香です。

東京都内の感染者数がまた増えています。

引き続き、予防しながら過ごしましょう~

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昨日、久しぶりに『情熱大陸』を観ました。

ご覧になった方、いるでしょうか。


東京フィルハーモニー交響楽団の公演再開までの道のり、3ヶ月間を追った内容です。

人が集まるエンターテイメントの世界は新型コロナウィルスの影響をもろに受けている

業界の一つですよね。


東京フィルハーモニー交響楽団は1911年創立。とても歴史ある楽団です。

この歴史ある楽団にとっても、コロナの影響はとても大きなものであり、

公演再開の決意もまた、容易なことではなかったようです。


人々に求められてなんぼの世界・・・

心無い言葉をSNSなどで見ることも少なくなかった、と話す楽団員の方もいました。


公演は客席を半数以下に減らして赤字覚悟の運営だったと、ナレーションが流れます。

公演を再開させるための工夫や楽団員の皆さんの思いを知り、

『そうだったんだ~、大変だったんだ~』と、何回もつぶやきながら

かなり前のめりに見入ってしまいました。

演奏が始まるとお客様はもちろん、楽団員の方々の目がどことなくうるんでいるようにも見えました。

感極まって(管楽器を)吹けなくなったらどうするんだろう…なんて画面のこちら側で

勝手な心配をしていましたが、そこはやっぱりプロです!そんな事態にはなりませんね(笑)


演奏終了後のインタビューで、とある楽団員の方が

『定期会員の方がいつもと同じ席に座っているのが見えた。あの人も元気だった、と思った』

というようなことを話されているのを聞いて、ちょっとジーンときちゃいました。


これまでの荒波を跳ねのけて、乗り越えた瞬間だったと感じました。

演奏者と観客、そして番組を観ている私。

一体感とでもいいますか・・・。じわじわと感じました。


残念ながらコロナの影響はまだ続きそうです。

でも様々な工夫によって新たな世界を手に入れようと頑張っている各分野の方々の姿を見て、

画面越しではありますが、私自身も大きなエネルギーをもらいました。

まだやれることはある!対面研修の再開に向けて私もがんばろうっと!


それでは、今週も踏ん張っていきましょう!


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今週の「パンダの独り言」


Don’t forget. The biggest attraction isn’t here yet.

People.

You fill this place with people, and you’ll ready have a show. 

                                                                       Walt Disney

忘れないでほしい。最大のアトラクションはまだ来ていないんだよ。

それは人だ。この場所を人でいっぱいにするんだ。それが本当のショーの始まりなんだ。

「言葉の階(きざはし)」第三十五章:ワールドカップ

2020年7月2日 木曜日

「言葉の階(きざはし)」 第三十五章:ワールドカップ

特別連載企画 第三十五章  ~ワールドカップ~

 

 

 2019年9月20日から1か月半、日本国内で開催されたラグビーのワールドカップが、
南アフリカの3度目の優勝ということで終了した。

 ラグビーというスポーツは番狂わせの少ない試合が多いといわれている。
かなり以前よりヨーロッパの5か国、南半球の3か国は絶対的な強さを誇っており、
この8強以外の国が勝ち上がることはない、と信じられていた。
前回のイギリス大会で日本が南アフリカを破ったとき、
新聞各紙は「ラグビー史上最大の番狂わせ」と報じたが、
ラグビーに関心をもつ誰もがそう思ったろう。
 (さらに…)

☆★**~*パンダの独り言*~**★☆(3)

2020年6月29日 月曜日

 

皆さん、6月もあと2日。2020年も折り返しですね。

コミュニケーションスキル開発協会、メルマガ担当・香香(シャンシャン)です。

 

まだ日常を取り戻したとは言えない状況ですが、今週も踏ん張っていきましょう!

 

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新型コロナウィルスがもたらした影響はとても大きなもので、

コミュニケーションのあり方そのものを変えてしまいそうです。

これまで当たり前だったコミュニケーションの形が

どのように変化していくのか、研修事業に携わる者としても

非常に気になるところです。

どうなりますやら…(実はとっても心配…)

 

 

感染症の歴史は人種差別の歴史とも無縁ではないと何かの記事で読みました。

出どころのわからぬ話(噂話)から、特定の人への差別が始まり、

ひいては戦争にも発展しかねない状況に陥ります。

コロナウィルスに限らずですが、豊富な情報量の時代に生きながら、

その情報の正確性とそれによる冷静な判断を課せられていると強く思います。

 

新しい生活習慣(コミュニケーション)の変化の大きさがいかようであれ、

人として大切なことは、やっぱり見失いたくないと思う今日この頃です。

 

人を思いやる気持ち・・・、相手の立場に立つ気持ち・・・

こんな気づかいの気持ちをを無くさずに

引き続き、安心で安全な環境を保てるよう一人ひとりが心がけていきたいものです。

 

 

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今週は2つの「パンダの独り言」

 

It’s important to have someone you want to do it for.

                                                                     Walt Disney

大切な誰かのために何かをしたい。

そう思えることが重要なのです。

 

 

Please request a training soon.

                  Shang Shang

そろそろ研修リクエストくださ~い。

対面でもWEBでもカスタマイズいたします!

 

☆★**~*パンダの独り言*~**★☆(2)

2020年6月22日 月曜日

   

みなさん、今週も始まりました。 

     コミュニケーションスキル開発協会、メルマガ担当・香香(シャンシャン)です。

今日は梅雨らしいお天気になりましたね。

 

     ***************

新型コロナウイルスによる様々な制限が徐々に解除され、日常が戻りつつあります。

都道府県をまたいでの移動もできるようになり、週末のニュースでは各地の観光名所が

にぎわう様子を見ることができました。

しかしながらすべてが以前と同じく・・・というわけにはいかないようですね。

 

そんな中、いろいろな取り組みについてニュースを通して見るたびに

日本人は強いな~と改めて感じています。

 

新型コロナウイルス感染防止のために、これまでと同じ経済活動ができないのであれば、

違うやり方を模索する・・・もし、うまくいかなければ別のやり方をまた考える・・・

歴史をふりかえってもそうやって日本人は何度も立ち上がってきたように思います。

 

そんな先人たちのDNAを受け継いでいるのですから、

この困難もきっと乗り越えていけるはず、と今は信じて

前へ前へ進めるよう、勇気をもって行動します!

 

プロ野球も開幕しましたね。

     関係者の皆さんのいろいろな工夫が伺えますし、

     オンライン応援がなかなかおもしろいです。

 

とあるファンの方がテレビで語っていました。

『応援する気持ちまで失くしたわけじゃない』と。

 

”思うの力”ってすごいです。ちょっと刺激をもらいましたね。

 

コロナがもたらした影響を新たな力に変えて今週も踏ん張りましょう!

 

 

********

ウォルトディズニーの取り組みも常に困難との戦いでしたが、

そこには人々の好奇心を満足させたい気持ちが原動力として存在していたのだと思います。

 

What is needed in addition to creative ability is courage.

                              Walt Disney

 

『新しいことに挑戦する勇気が求められています』

☆★**~*パンダの独り言*~**★☆

2020年6月15日 月曜日

みなさん、はじめまして。

コミュニケーションスキル開発協会のブログ&メルマガ担当の香香(シャンシャン)です。

これから私もブログ発信します! どうぞよろしくお願いいたします。

東京も先週とうとう梅雨入りしましたね。

熱中症対策も今年は早めに準備したほうがよさそう・・・

 

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新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が全国で解除され、

また段階的に自粛要請も緩んできました。

まだ油断できない状況にはありますが、

それでもちょっとずつ日常が戻ってくることを祈らずにはいられません。

 

以前のように元通りの生活環境、仕事環境に戻れるか、不安もあります。

でも、私たちのDNAには困難に直面した時には

少しずつでも前へ前へ進むようにと、刻まれているかのよう・・・

 

全国のみなさんもいろいろなアイデアで事業を前に進めるように

踏ん張っていることが日々のニュースでもわかります。

 

当社でも対面研修が厳しい今、次の研修事業のあり方として

オンライン研修など、どんなことができるかいろいろと思案中です。

 

先日も社内で今後について打ち合わせ(会議)をしました。

次のステージに向けてどのような展開が必要か、アイデアを出し合ったのです。

私はどちらかというと自分の思いや考えを発信するのは難しいと感じるほうなのですが、

発言しやすい空気が流れていたので、遠慮なく自分の考えやアイデアを口にできました。

 

そしてそのアイデアに他の社員から新たな色が付けくわえられ、

いい感じで会議が進み、思いのほかスピーディに諸々が決定しました。

 

会議の雰囲気がいいと、それまで思いつかなかったようなアイデアが飛び出します。

 

「へぇ~」とか、「なるほど~」とか、「いいね、それ」とか・・・

もしも、会議でこんな言葉が飛び交っていたなら「安心、安全の空気」がそこには流れて

いるんだと思います。

 

いい空気が流れはじめると、場に出されたアイデア(意見)にさらに意見を言いやすくなります。

「それにこんなの足したらどう?」、「こんな考え方もあるよ」など。

 

今の困難な状況を乗り越えるためには、いろいろな角度や視点からの発想が必要だと思うんです。

そのためにはアイデアが生まれやすい空間を自ら作る必要がありますよね。

 

 

さて、今日もいい空気が流れる会議を始めますか!

 

 

 

今週の「パンダの独り言」は、

こんな状況なので若いころに体験した米国出張で聞いた言葉を思い出し…

 

    I use the whole plant for ideas. If the janitor has a good idea, I’d use it.

                                                Walt Disney

 

  『私はアイデアのためにすべての人を使う。

   もし、(ビルなどの)管理人が良いアイデアを持っているなら、それを使うだろう』

「言葉の階(きざはし)」第三十四章:EAGLES ~歩き続けたならず者~

2020年4月7日 火曜日

         「言葉の階(きざはし)」
    第三十四章:EAGLES ~歩き続けたならず者~
       特別連載企画 第三十四章 
      EAGLES ~歩き続けたならず者~


 2016年1月、イーグルスの中心メンバー、グレン・フライが亡くなった。
その死にショックを受けたが、それ以上に新聞でその事を伝える訃報記事の扱いが
小さいことに衝撃を受けた。私自身見過ごすほど小さな記事だった。

 2004年秋にイーグルスのコンサートに行ってから、国内外に関わらず、
いわゆるライブに行っていない。イーグルスについては、好きではあったが、
夢中になるほどではなかった。ただ、好きな音楽、アーティストを尋ねられると、
「イーグルス」と答えることが多かった。
結構知名度も高く、音楽的に評価も高いこのバンド名をあげるのは何かと便利ではあった。
もともとウェストコーストのペパーミントのような歌姫、
リンダ・ロンシュタットのバックバンドとして結成されたが、1976年、
アメリカ合衆国独立200年のときに発売された「ホテル・カリフォルニア」が大ヒットする。
その後「ロングラン」というアルバムを発表するが、
バンドとしての活動はここまでということだろう。
グループの中心はドラム・ヴォーカルのドン・ヘンリーとギター・ヴォーカルのグレン・フライ。
かたや哲学者風、かたや典型的ヤンキーだが、ともに若いときは自己主張が強く、
歪な双頭体制のグループだった。
 (さらに…)

「言葉の階(きざはし)」第三十三章:花野

2020年3月12日 木曜日

    「言葉の階(きざはし)」第三十三章:花野
      特別連載企画 第三十三章 ~ 花野 ~




 地名で最後に「野」という言葉がついていると、言葉が締まるような感じで落ち着く。
安曇野、津和野、遠野という地名は全国区の知名度で、観光地としても人気がある。
言葉のリズムに日本らしい響きがあって、足を運ぶ前から日本的な情景が目に浮かぶ。
これらの地域より小さないわゆる町名でも奈良の春日野、京都、嵯峨野。狭い地域では化野。
どうやら「お」という母音で締めると、日本的な語感を呼ぶと勝手に思い込んでしまう。

 今年夏の終わりから秋にかけて、日本列島は台風の通り道のようになっていた。
「10年に一度の大型台風」という表現から「50年に一度」「100年に一度」という表現になり
、その被害が本当に甚大なものであることを伝える。
そして「最大級の被害」をもたらすものとして流した表現が、
毎年日本のいずれかの地に訪れるものだから、「去年もそんなこと言ってたよね」と、
毎年この時期の「慣用句」のような印象になっている。
早晩このような気候が当り前になるのだろう。

 以前、夏と冬の間に秋があった。
 同様に冬と夏の間には春があった。

 ここ数年、半袖のYシャツをクリーニングに出すときでも、秋が深まった時期になると、
ジャンバーのようなものを羽織るようになる。
こんな晩秋の頃まで半袖を着ているのがおかしいのか、
温暖化の影響か、つい2週間ぐらい前は、半袖がちょうどよかった。

 「花」といえば春の桜を指すのが一般的だ。
この時期、梅、桃、リンゴ、杏子と白から淡いピンク、
そして暖色のピンクの花が次から次へと開花する。
私も山梨・笛吹川沿いの地域を春のこの時期に足を延ばしたことがある。
あたり一面に桃の花が咲く姿はまさに桃源郷だった。
そんなわけで初めて「花野」という言葉を耳にした時、
イメージした景観は鮮やかな白、黄、ピンクの花に包まれた里の姿、まぎれもなく春のそれだった。

 ところが、春のページをいくらめくっても「花野」という言葉はでてこない。何のことはない。
これは秋を表わす言葉として載っていた。
全く分かりにくいなあと思いつつ、解説文を読んでみたら納得した。
山上憶良の「秋の野の花を詠める」と記された一首だ。

「萩が花尾花葛花なでしこの花女郎花また藤袴朝顔の花」

あまりにも有名な万葉集に収められている歌が説明文に添えられていた。
秋の花はさまざまな色で咲き誇る。赤、橙、黄いろ、それだけじゃない臙脂から青に至る、
まるで色を当てるがごとく百花繚乱の様だ。
春は「里を彩り、野を染める花」というイメージとすれば、
秋は「花それぞれの色を身にまとう野の風景」とでもいうべきか。
つまり春は花そのものに価値を見、秋は花という言葉は野を飾るものとなる。
だから野の色、山の色というそれだけで秋の山野を表すことになる。

 考えてみると、漢字をしっかり理解すると、モノの形や意味が浮かんでくるような気がする。
私が今住んでいるところの近くに「向河原」という駅がある。
おそらく、多摩川を挟んで武蔵の国の住人が
「向こうの河原に・・・」 などと言葉を発したのだろう。
もし、川がなければ、「この草で生い茂った原っぱは」と言い、
漢字は「向ヶ原」という文字を当てはめるのだろうか?

 Typhoonという言葉がまだ日本に入っていなかった頃、
今日の「台風」は「野分」と称された。
風雨荒れる台風はもちろん、強風が吹きすさぶものまで総じて「野分」と呼んだ。

「野を分けるもの、私の解釈からすれば秋を分けるほどのモノ・・・だから
今年のように台風が多いと秋はなくなるんだ」と友人の前で、一人悦に入って口にした。
「何言ってんだ」と相手にされなかった。

「言葉の階(きざはし)」第三十二章:ステイタス

2019年11月26日 火曜日

「言葉の階(きざはし)」第三十二章:ステイタス
特別連載企画 第三十二章 ~ ステイタス ~

 初めてレストランでフォークとナイフを手にして食事をしたのは、大学1年生のとき。
横浜・外人墓地の前にあるレストランだった。
たかだかハンバーグなんだから箸でいいじゃないかと思うのだが、
店の性格上そうはならないのだろう。
「やっぱり箸が欲しいな」と最後までつぶやいていたが、
「私だって、外でこうして食べるのは初めてなんだから。」と、
同行の女子に言われて、あっさり落ちた。
 入学式からまだ一月、同じクラスの男女2名ずつ、これから過ごす大学生活は楽しみに溢れている――
そう予感させるような状況だった。いささか緊張した面持ちで、
周りを意識しながら、神経を皿に集中させる。
なんとか無様な姿をさらす事なく食事を摂ることができた。

ただその時、自分の頭にあったのは数日前に高校時代の恩師と足を運んだ「新宿 中村屋」での話だ。
 恩師のお父様というのは大学の教授で、口数は少ないが、厳しかったようだ。

食べるものもそんな贅沢はさせてもらえなかったと聞く。
「おい、何にする?」と、いきなり恩師に尋ねられるが、
カレーの専門店で、何を・・・ビーフ、ポーク、チキンとあってもカレーだよな。
ところが「え、こんなにあるんですか」当時、我々の世代は、誰もがカレーは好きだったような気がする。
御多分にもれず、私もそうだったが、外の店で食べるものという意識はなかった。

「俺が大学に通っていた頃、中村屋でカレーを食べるというのが、
  一人前になったと認めてもらえるようなものだった。」
「・・・」
「だから卒業して、給料を稼ぐという立場になってはじめて口にするものだった。」
「それは、その当時の風潮?それとも先生の個人的な・・・」
「ああ、親父の意向だ」
今日では、欲しいものはほとんど手に入れることができる。

嫌なことには関わらずに過ごすことができる。
お祝い事は、何かを達成したかどうかによるものではなく、ただ時期がきたから、
お祝いの席だからということで、モノが供され、お祝いの品を手にするのが一般的だ。
 横浜外人墓地の前のレストランに行った時、
私は初めてナイフとフォークを手にして少し大人びた気持ちになっていた。
しかしながら、自分自身の成長過程の中にあることなど全くないことは明らかだった。

ところで、今日我々の生活の中で目先のことでいい、目標を設定してそれを達成するために
努力を重ねている人はどれくらいいるだろう。
恩師からごちそうになった「中村屋のカレー」はその後しばらく口にすることはなかった。
あんな話を耳にすれば、達成感もない自分が、大人になったと自覚することなどない状況の中で、
食することが憚れた。
同時にそんなステイタスのようなものを掲げ、
こだわりを持つことを「だせ―よな」と口ではつぶやきながら、
毅然とそんな状況に身を置ける人が、何か羨ましいような気になった。

漠然と普段毛嫌いしている「真面目」「一生懸命」という言葉がこの時、とても輝いているように思えた。

 

「言葉の階(きざはし)」第三十一章:なごり雪

2019年4月26日 金曜日

「言葉の階(きざはし)」第三十一章:なごり雪

特別連載企画 第三十一章 ~ なごり雪 ~


高校時代、飛行機というものはかなり離れたところに行くときに使うものだ、という印象があった。
たとえばハワイ。結婚というものは一生に一度、そして人生最良の旅行がハワイへの新婚旅行。
国内で利用するのなら、北海道、九州、四国。陸続きではないから、乗り物を変えなければならない遠方の地。

高校2年生のクラスは非常に居心地のいいクラスだった。
クラスメートは男女関係なく、誰とでも話しやすい雰囲気があった。
これは私のように、特定の女性と仲良くなることが不得手の男性にとってはありがたいことだった。
まるでテレビの青春ドラマのように、当時の出来事が思い出される。
武甲山登山、文化祭、授業ボイコット、修学旅行、スケートリンク、学級閉鎖という様々な出来事の合間に
いくつか心に残る思い出がちりばめられている。

そんなクラスがお別れになる。アイツともコイツとも、あの子ともこの子とも・・・だけど、
本当にもう高校に来ても顔を見ることができなくなる女の子が一人いた。
クラスでもちょっと大人びていて、友達が寄ってくるようなタイプだった。
私とは特別親しいわけでもなかったが、後期にホームルーム委員をやり、クラス新聞を作っていた。
終業式の日に「今日の日はさようなら」を歌って声をつまらせ、
クラスで行った山中湖でなぜか「赤い風船」で涙し、3月下旬、彼女が四国松山に向かって発つのを見送りに、
クラスメートのほとんどが羽田に集まっていた。3月ももう終わるというのに、空港は白一色に覆われていた。
季節外れの雪が止む様子もなく、降りしきっていた。

かぐや姫の曲で「なごり雪」という曲がある。このグループの中心、南こうせつの作ったものではなく、
伊勢正三が作詞作曲。彼は例えばビートルズでいえば、ジョージ・ハリスン。
イーグルスでいえばティモシー・シュミットのような感じで、
次から次へと曲を作り出すタイプではなく、本当に自信のあるものしか発表しないという印象がある。
「22歳の別れ」「ささやかなこの人生」「君と歩いた青春」・・・染みる。
この「なごり雪」という曲は恋、愛、寂しい、悲しい、楽しい、
といった感情の起伏を表す言葉はなく、あくまで写実的につづられる。

汽車を待つ君の横でぼくは時計を気にしてる。季節外れの雪が降ってる。
動き始めた汽車の窓に顔をつけて、君は何か言おうとしている。
君の唇が「さようなら」と動くことが怖くて、下を向いてた。
この日、搭乗前に姿を見せた彼女は想いの他明るく、神妙な顔をしている我々より雄弁だった。
見送りに来た全員と握手なんかしていたから、乗り込むのがギリギリになっていた。
「椿君、椿君には・・・なんでも頼っちゃって・・・ありがとう」それでなくても、
女性の手に触れるなんてこと、めったにないのに、
途中で強く握られたものだから、思わず下を向いてしまった。付き合いはそれっきりだ。
その後、同窓会か何かで顔を合わせたかもしれないが、以前と変わることもなく、
私は「one of them」として存在するだけだ。
しかし、「なごり雪」を耳にすると、あの頃の少ししょっぱい想いがよみがえる。

伊勢正三はこの曲を作った時、
「この東京という都会と、自分の故郷大分は間違いなくレールでつながっている」と口にしていた。
どんなに遠いところでも故郷は・・・戻ることを拒まない。そうだろう。
でもあの頃、距離の隔たりは気持ちの距離感にも結び付いていた。
ちなみに「なごり雪」という言葉は俳句の歳時記、季語にはない、伊勢正三が生み出した言葉だ。

「言葉の階(きざはし)」第三十章:階 -きざはし-

2019年4月19日 金曜日

「言葉の階(きざはし)」第三十章:階 -きざはし-
特別連載企画 第三十章 ~ 階 -きざはし- ~

忘れっぽくなった。
「あ、あれ、あとでネットで調べなきゃ」と思ったことのほとんどは、忘れてしまう。
思いついたことは何かに記さなきゃとメモ帳を携帯しているが、
メモをとる習慣がないから、ほとんど活用していない。
この「言葉の階」と銘打った文章を書き始めて1年近くになる。
ホテルの経験談を書き終えて、自分が思っていること、
経験したことを書き記すことが楽しいものになっていた。

ここコミュニケーションスキル開発協会、鈴木代表に
「あと一年ぐらい、このホームページのブログに文章載せてもらってもいい?」と、尋ねると、
考えるそぶりもなく「どうぞ、どうぞ」という返答。おかげで厚かましく使わせてもらっている。

1200字程度の文字数で書き始めたが、この字数だと、けっこうスムーズに進む。
4,5編書いたところで、鈴木代表から「今回のシリーズのタイトルを考えてください」と言われた。
一つの文章の標題なら、タイトルは出てくるが、全体を通してとなると出てこない。
昔から全体を見渡してとか一貫しているテーマは、と言われるとわからなくなる。
一生懸命に考えると、どうしても、堅いタイトルになってしまう。むしろ風呂につかっていたり、
床についたとき時などに、力が抜けて想いもよらぬアイディアが浮かんでくるものだ。
この時もそうだった。
湯船につかっていたら「これぞピッタリ」という言葉に出会った――ような気がした。
ところが、風呂から出て寒いと思っているうちに、考えていたことがすっかり思考回路から消えた。
すぐに思い出すだろう。少なくとも眠るまでには浮かんでくると思っていた。
ところが全然・・・「アルツハイマーか?」「脳に何かできたか?」と真剣に考えた。
今思えば、閃いたものは、さほどのものでもなかったのかもしれない。
何しろ今だに思い出せないのだから。
「いついつまでにはお伝えするから・・・」と口約束していたその日になった。
もっとも鈴木代表は急かすわけでもなく、腹をさすりながら泰然としていた。

(さらに…)

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