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「言葉の階(きざはし)」第二十二章:マラソン


  「言葉の階(きざはし)」第二十二章:マラソン
   特別連載企画 第二十二章 ~ マラソン ~




 アメリカ・シカゴで行われたシカゴマラソンで、
日本の大迫傑が2時間5分50秒という日本新記録で3位に入った。
箱根駅伝に出ていた時も大きなストライドで、自分のペースを貫いて走る卓越した選手だった。
ただ、従来日本人の長距離の走り方は、最後の勝負所で一気にスピードアップする、というのが基本だ。
自分の足の動きに任せて、最初から先頭に立つといった感じの大迫選手は
必ずしも「常に勝つ」選手ではなかった。大学卒業後もしばらくはトラック競技に専念していたので、
マラソンはやらないのかな、と思っていた。

 たしかマラソンはまだ3回目だと思うが、記録は着実に伸び、外したレースはない。
長距離ランナーの走り方は大きく分けて、レースを作るタイプとペースについていくタイプに分けられる。
アフリカで記録を塗り替える選手たちはもちろんレースを作るタイプである。
ペースを上げたり下げたりして絞り込む。その上で自分のペースで走る。
が、当然その日のコンディションによって悪い結果になることも多く、疲労度は大きい。
箱根駅伝で大迫選手を観たとき、日本人には珍しいこのタイプの選手だった。
必ず先頭に立ち、行けるところまで行くという感じだった。
おそらくオリンピックの代表を決めるレースでは徹底的にマークされ、厳しいレースになるだろう。

 ところで、このシカゴマラソンはスタートもゴールもロードだったが、
日本で行わるマラソンの多くは競技場を出て、競技場に戻るといったレーススタイルだ。
マラソン中継を観ていていつも思うのだが、選手が何周か走って競技場を出て、
2時間余りののちまた戻ってくるまで観客の方々は何をしているのだろうか?
「2時間くらいアッという間だよ」と言われる。
しかしながら、2時間ただ選手が戻ってくるのを待つだけなら私には耐えられない。
何か他の競技でも行っているのかと、スポーツ新聞を見ても、
何か行われたようなことも記されていない。となれば、子供たちの体操、綱引きぐらいか・・・
2時間といっても準備、片付けなどもあるから、そんなに大がかりな競技が行われるはずもない。

 ちょっと関係ない話だが、私は何度かボクシングを観に行ったことがある。
ボクシングはプロレスと異なり、ショーアップする格闘技ではない。
1日に何試合も予定が組まれ、ボクサーたちは自分がリングに上がる時間に合わせ闘争心を高める。
よって、試合が早く終わったからと言って、次の試合時間を早めるということはしない。
では、たとえば10回戦の試合が1回で終わってしまったら、
観客は30分余りの時間をただ待つだけなのか・・・こんなことを考えると、落ち着かない。

 ボクシングのプログラムで予備の試合というのがある。
まさにこれが、このように時間が空いた時に行われる試合なのだ。
当然4回戦あたりの選手だが、行われるかどうかもわからないまま準備を進めるのは
かなりの緊張感とストレスを伴うものである。

どうも私の思考回路は外れるとどんどん遠くに行ってしまう。
だから未だにマラソン中継を観ると、そんなことに想いが飛んでしまう。


 


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