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「言葉の階(きざはし)」第三十七章:ふたたびコバエ

2020年9月28日 月曜日

「言葉の階(きざはし)」第三十七章:ふたたびコバエ

特別連載企画 第三十七章 ~ ふたたびコバエ ~

 アメリカの映画界では10年単位で、その時代を代表する、
あるいは象徴するスターが存在していた。
古くは「強いアメリカ」「アメリカの良心」を体現していたゲーリー・クーパー、
ジョン・ウェイン、ジェームズ・スチュアートといったところだが、
これが1950年代に現れたスターがそれまでの常識を一気に覆す。
マーロン・ブランド。我々にとっては、
「ゴッドファーザー」の爺さんのイメージが強いが、
黒の革ジャンにふてぶてしい表情。アメリカのスター観は変わる。
60年代はマーロン・ブランドと同様「反逆児」のイメージで登場したポール・ニューマン。
それとアクションスターとして独自の道を歩んでいたスティーブ・マックイーン。
70年代はいきなりアンチヒーローの時代となる。
いわゆるニューシネマと称される「俺たちに明日はない」
「明日に向かって撃て」「イージーライダー」「真夜中のカーボーイ」等々。
既成概念、常識といったものへの反発。権力への対抗心と自由への希求。
映画の主人公たちは犯罪者や等身大の人間、
およそヒーローとはかけ離れた見栄えもさえない人々で、その多くはラストで死んでいく。
代表的な俳優は、ジャック・ニコルソン。ダスティン・ホフマン。アル・パチーノ。
これに映画監督、製作者としても才能満開の
ウォーレン・ベイティとロバート・レッドフォード。
彼らは毎年のようにアカデミー賞にノミネートされ、
最終的には生涯、受賞できない俳優もいた。
こんな70年代。それぞれ独自の道を歩んでいたから、
時代を象徴、代表するスターは「いなかった」。
ただ、あまり映画賞に縁がなく、アメリカらしい爽やかな2枚目スター、
ロバート・レッドフォードが「なんとなく」という感じで
70年代を代表するスターであったのだろう。

 この頃の映画や音楽の話をしたらきりがない。

 そこで80年代は「ヒーロー回帰」と相成る。
70年代後半の「スターウォーズ」以降スクリーンにヒーローが帰ってくる。
その代表がハリソン・フォードだろう。「スターウォーズ」の「ハンソロ」役でブレイクすると、
大統領から未来の戦士、どこか昔の西部劇を思わせる佇まいで大スターとなるが、
「一番のはまり役は?」と尋ねられると、
「インディ・ジョーンズ」とキャラクター名を挙げてしまう。

 またコバエが出てきた。昨年の春から綴っているこのシリーズは40編、
1年間で終了するつもりだった。5月にはなんとか・・・と思っていたのだが、
題材が思い浮かばない。ついでに根気もない。
まさか再びコバエに悩まされる時期までずれ込むとは思わなかった。
今年は梅雨の期間が長く、ゴミが臭気を漂わすことも多かった。
あちらこちらでコバエを目にした。黙っていると、
いつに間にか成長して飛ぶのも大儀そうになっているので「コバエホイホイ」という
ちょっと値が張る物を見栄張って買い求めた。

 例によってコバエが多くいるキッチンのテーブルに置いておくだけで何匹か撃沈している。
ところが、ある日ちょっと流しで水を出したら、やたらとコバエが飛び交った。
関係ない話だが、「インディ・ジョーンズ失われた聖櫃」の中で、
意表を突かれた、というか拍子抜けして思わず笑ってしまうシーンがある。
現地でさまざまな危機に遭遇し、インディはそのたびに危機を脱する。
そこにいかにも強そうな黒づくめの大男が大きな剣をもって登場。
ここで、昔の歴史劇のように剣で一騎打ちと思った瞬間、拳銃でズトーン。

 「これってありかよ」と思いつつ、笑った。そんなわけで、
このとき、やたらコバエが多いので噴霧器の殺虫剤を使ったら、大量に落ちた。
おもわず笑った。

 

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